先日、「ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた」という斎藤幸平さんの本で、脱プラスチック生活に取り組まれた奮闘エピソードを読みました。暮らしから新たなプラスチックを出さない試みとして、商店街に容器や新聞紙を持って魚屋や八百屋に行かれたり、味噌工場まで味噌を買いに行かれるなど、いざ本気で削減に取り組むと いかに時間や労力が かかるか が実体験をもとに書かれてました。
プラスチックの削減については、友人とも最近よく話題にのぼります。この夏、欧州在住の友人が帰国した際、「実家の親が一週間に出すプラスチックの量に仰天した」という話をしてくれました。現地の友人たちからも、日本人のプラスチック使用量の多さを指摘されるそうで、「代わりに日本ではリサイクルもかなり進んでいるよ」と切り返すそうですが、話にならないという顔をされるし、実際帰国する度に日本の過剰包装が目につくのだと。
私自身もプラスチックゴミ分別していて、その量の多さには以前から気になっていたけれどやはりそうだよね…と友人との会話以後、もう少しなにかできないかな という思いを強くしました。エコバッグは使っているし、ペットボトルの代わりに水筒を持つことも増えたけれど、やっているのはそのくらい。とりあえずすぐできることからやろうと、スーパーの無料透明袋(肉や魚のトレーを入れる用)をもらうのをやめ、家から使い回せる透明袋をエコバッグにいれて買い物に行くようになりました。将来的には新聞紙や洗濯して使い回せる風呂敷のような布で肉や魚を包むのもいいかなと考えています。
斎藤幸平さんは著書の中で脱プラについて、「そもそもできる努力の幅に個人や家庭間で格差がある」「……忙しい家庭では不可能に近いのではないか。これこそが環境問題を個人の努力に還元することの問題点」「個人のできることに格差があるからこそ、個人の意識ではなく、社会の側を変えていく必要がある。」とあり、個人努力の限界に触れられていましたが、納得至極でした。そうではあっても、あともう少し自分レベルでできることをやれないかなと思って考えたのが、プラスチックゴミを出す頻度 を減らすこと。
我が家では45リットルのプラスチックゴミ専用の袋を一ヶ月に一度出しています。キッチン横に小さなプラスチック袋をつりさげて、日常生活ででたプラスチックゴミはいつもそこに放り込み、満杯になったら大きな45リットル袋に移動。だいたい、4~5回分の小袋で大袋が満杯になります。一ヶ月に一度ゴミを出すということは、プラスチックごみ袋を1年間で12枚使用 することになります。ゴミの量は減らせないかもしれないけど、1年間に12枚の使用から、11枚、10枚に減らせないか、と考えました。
一旦、今集めているものを広げてみました。出たゴミをそのまま放り込んでいるので、どうしてもかさばってしまうため、ごみ袋には空気もたくさん入っている とも言えます。
そこで、ごみを小さくおりたたんでコンパクトにしてみることにしました。
同じ容器やゴミは重ねたり、半分にカットしてよりコンパクトに。
豆腐や乳酸菌飲料の容器も半分にカット。
後もういっぽ踏み込んでコンパクトにするため、パッケージについているシールも使うことにしました。
細かくカットして、
プラスチックゴミをおりたたんでシールを貼る。ちなみに、このシールもプラスチックマークがついているか確認して使用。
この日はちょうど、天ぷらをつくるためにカニカマを使ったのですが…(カニカマの天ぷら大好き♪)
カニカマをひとつひとつ包んであったプラスチック包装をカニカマ袋にいれて、くるくる巻いてテープを貼ってコンパクトに。
先日使い終わった、チャック付きのプラスチック袋には、こまごましたプラスチックゴミを入れて、空気を抜いて閉じればOK!
圧縮することでよりコンパクトに。
結果、小袋に満杯だったプラスチックゴミが、3分の2くらいになりました。今回はまとめて一気にやりましたが、これを暮らしの中でゴミが出る度にちまちまとやっていけば、さほどの手間もストレスもありません。
ゴミが3分の2のサイズになったということは、ごみ袋を出す頻度も3分の2になったと言えます。つまり使用量も…
当たり前ですが、12枚が8枚、つまり年間4枚減りますね!現在、市のプラスチック専用ごみ袋(45 L)は10枚¥145です。
プラスチックゴミをコンパクトにすることは、我が家では年間58円の節約になるのだとわかりました。
先日甥っ子と、「節約をするということは、それだけのお金を残すという意味では 副業をしているようなもんだね」、という節約談義で盛り上がりました。1年間ちまちまとゴミをコンパクトにすることで、58円の内職をしているようなものだと思うと、なんとなくうれしい気分に。
逆にいうと、年間8枚の袋代¥116 を支払ってプラスチックゴミを出しているのだとも言えるので、これを8枚から7枚、5枚にしていけるような減プラスチックになる買い物の選択肢がもっとこれから社会で増えていけばいいなとも思いました。
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後日談、追記 2023年10月19日
8月21日からまとめ始めたプラスチックごみ袋(45L)が10月19日にようやく満杯になりました。チマチマとコンパクトにしたゴミは2ヶ月分が1袋に。これで年間のごみ袋は12÷2=6枚で済みそうだ、ということになりました。
¥14.5(ごみ袋1枚)×6枚(年間ごみ袋使用枚数)=¥87
何も考えずにごみ袋に投げ込んでいた頃は年間12枚どころではありませんでしたので、「ちいさな節約」がずいぶん大きくなったように感じられました。