先日、ホウキとチリトリを買いました。ここに至るまでに、なかなかの時間を費やしました。
まず、我が家には既に、縦型の掃除機がありました。今の暮らしを始めた頃、当然必要と思って購入したものです。コンパクトライフにはたくさんの機能が必要とは思えず、ツインバードのサイクロンスティッククリーナーを選びました。あえて、コードの巻き取り機能のないものを選んだのは、その機能をつけない代わりに少しでも安いほうがよいと思ったからで、実際のところ、数年使用していてもさほどコード問題は気になりませんでした。
家電製品なので、大事に使用してもいつかは壊れます。掃除機の耐用年数は6~7年と言われていますが、悲しいことに4年目でコードの根本部分の不具合が起こって壊れてしまいました。これはツインバードの掃除機が壊れやすいといったことではなく、雑に取り扱ってしまった私の使い方の問題です。結局、お気に入りだったので、再び同じものを買い直すことになりました。
以前、勝間和代さんのユーチューブを見ていたら、多くの人は家電製品のマニュアルをよく読んでいない、書かれている通りに使わないからよく壊している、と言われていて、「なるほど!」と我が身を振り返ったのは、掃除機を壊した後。これからはもっと丁寧に使います…。
ところが、その際にふと、本当に掃除機は必要だろうかと考えるようになりました。ホームオフィスという仕事柄、ホコリの出やすい環境なので掃除機が無くては困るのですが、普段のちょっとした掃除はホウキとチリトリでもよいのでは と。1足の靴を365日履くよりも、2足の靴を2年はくほうが靴は長持ちするという話を聞いたことがあるのですが(検証したことがないので不明)、掃除機も当たり前と思わず、本当に掃除機を使った方がいいところは使い、ホウキとチリトリで済むところは人力でやればいい じゃないかと。そもそも、掃除機がこの世に生まれてまだ100~150年ほど。それまではホウキとチリトリが長い間覇権を握っていたわけで、掃除機が絶対にないと暮らしていけないなんてこともなかろう。何より、電気代の高騰が激しく、消費税もこれからさらに上がっていくかもしれないことを考えると、掃除機の使用時間を減らしてホウキとトリトリを併用するメリットはたくさんありそう です。
さて、ホウキとトリトリを買おう!となったのは良いのですが、何を選んで良いのかが分からない。私の子どもの頃は、「荒物屋」「小間物屋」と呼ばれる雑貨屋が街にひとつはありました。ザルやホウキ、タワシやすだれなど細々とした日用品を売っている店です。なじみのお店でもあればそういったところで店主におすすめを聞きながらホウキとトリトリを買いたいところですが、そんな風景はもうほとんど見られなくなり、今はニトリや無印良品、ホームセンター、100円ショップ、アマゾンや楽天などで探さないと見つかりません。検索すると山のようにでてきます。昔ながらの職人がつくったホウキなどを見ると、説明文も素晴らしいのでついつい高級ホウキが欲しくなります。職人さんを応援する意味でも数千円もする良質なホウキを買いたくなり、お気に入りボタンを何個も押してしまい、すっかり心は和製ホウキを買う気満々になりました。
ところがふと、思い出したのです。自分がホウキの嫌いな点です。掃除をくり返すと、ホウキの毛先に髪の毛や糸くずなどがからまっていくので、いつか手でそれらを取り除かないといけなくなる のです。調べていくと、美容院などで使用されているホウキとチリトリには、あらかじめチリトリにクシがついたものがあることがわかりました。私の仕事部屋は細かいゴミが多いので、今度は心がすっかりクシ付きチリトリとホウキのセットに傾きました。
そうしてまた、多種多様なセットにお気に入りボタンをポチポチ。ふと振り返ると、お気に入り欄に、和製ホウキからクシ付きホウキまで10個くらいが検討品として集まってしまいました。そうして、「何を選んでいいか、分からない」ということに。
そこで思い出したのが、フライパン選びに迷っていた時にムスメから言われた、「一番安いものから試すんだよ!」の言葉です。一番安いホウキ……ああ、100円のホウキ。
本当はもっと違うものが欲しかったですが、小手調べと思えば十分です。ホウキとチリトリで¥220です。
…が、使い始めて速攻で、使いづらさMAXに。まず、毛先の角度が手に持って使用するときの角度と合っていません。
ホウキの柄はもともと斜めに設計されています。しかし、私の身長や持ち手の長さ、使い勝手から考えるとこの角度が合わない。
そこで、自分の手の角度に合わせて端を切り落とすことにしました。
だいぶスッキリした角度です。次に、毛が自然素材ではないので、やや固いので使いづらさがあるので、本数を減らします。そもそも、素材の硬さから考えて、あまり室内向きではないホウキだとは思います(笑)。
全体的な量を根本から一列減らした後、髪の毛をすくような要領で、ホウキの毛をランダムに減らしました。
たったこれだけのことですが、ずいぶんと使いやすくなりました!
続いて、チリトリの改良。クシ付きチリトリにするため、すきまの広いクシを買ってきました。¥110
電動ドリルを用意。家庭用のコンパクトなものがひとつあると便利です。
穴あけドリルを装着。
チリトリのどの位置につけるのがよいかを仮止めして考えます。
だいたい、このあたりかな…
穴を開けました。
落下しないよう、針金で止めます。
留め方は適当です。
クシ付きチリトリの完成。クシの歯が片方にしかないので、ホコリを取りたいときはホウキの向きを変えればよい。
ホウキ&チリトリ ¥330
内訳
・ホウキ ¥110
・チリトリ ¥100
・クシ ¥100
・針金(ひもでもよい)適宜
あるとよいもの ハサミ、電動ドリル、ペンチ
数日使ってみた感触としては、これがなかなかに良くて、掃除機だけの頃より掃除がかなり楽しくなりました。自分の手に合わせて改良したことで愛着が加味されて満足度があがっているからかもしれません。掃除機の出番が激減したので、今後は電気使用量も少し減ると思います。
雑誌やSNSに出てくるようなおしゃれなものとは程遠い見栄えですが、あれもこれも求めていたらきりがありません。¥5,000クラスの職人の和製ほうきや業務量のホウキ&チリトリ¥2,680を¥330に抑えることができたので、¥2,350~4,670が浮きました。これらを買ったつもりで今のホウキを大事に使い、ETF購入にまわしていつか余剰資金ができたら本当に欲しかったものを買う、といった具合に物事に対する思考がずいぶん以前と変わってきました。しかし、倹約すればするほど、この面白さに拍車がかかっているのと、欲しいものと必要なものとの区別がしっかりつくようになったので、今後高価なホウキを買うことはないかもしれません。本当はプラスチックを暮らしから少しずつ減らしてみたかったはずなのですが、そこは一足飛びにはできないので、いつかもう少し余裕ができたら、次は自然素材のものをできるだけ選んでいけるようになりたいなと思います。