これまで、お米の節約、卵の節約、について考えました。今回は 「 食器用洗剤の節約 」についてです。「節約」といってまず思いつくのは、「できるだけ安いものを選ぶこと」だと思います。我が家ではたいがいのものが既にそうなっているため、今考えているのはそこからさらに深みにこぎ出すこと、つまり、「使用量をもう少し減らす」という次の節約段階です。
現在使用している食器用洗剤は、キュキュット の大容量ボトルです。ナショナルブランド、スーパーのもの、100円ショップのもの、自然派系洗剤など色々試した結果の現在地は、ひとまずここに落ち着いています。固形の食器用洗剤にもトライしてみたいと思っていますが生活圏内に売っておらず、送料をかけてまで買う余裕がないので、それはまたいつか。
さて、我が家のキッチンでは、大容量の洗剤ボトルから100円ショップのポンプ式ボトルに入れ替えて少しずつ使用しています。以前から、「このボトル1回のプッシュはどのくらいの分量で、どのくらいの洗浄力があるんだろう」「使っている洗剤に対してそれは適量なんだろうか」という思いがありました。このまま老後を迎えて人生の終わりに、「ああ、あのとき洗剤を測っておいてもよかったな」などと後悔してもいけませんので、ようやく小さな夢を実行します。つまり、「ものすごく些細な暮らしの疑問を、自分で検証する」ということ。
電子はかりで、器の重さをゼロにして、洗剤をワンプッシュしてみました。4g。なるほどなるほど、今まで適当にスポンジにつけていたけど、ワンプッシュ4gも使っていたのか、というのがまず発見ですね。誤差があると思ったので、この軽量は4~5回やってみました。4gって結構多いと思います。
皆さんはどのくらい洗剤を使用されているか分かりませんが、私はもともと、親子2人分の食器や調理器具は、ワンプッシュの洗剤量で洗いきる、というのをこれまでやっていました。
※そもそもの大前提ですが、食器洗い乾燥機はありません。
具体的には、まず 洗い物の中で比較的汚れの少ない鍋やボウル、鉢などにまずワンプッシュ します。4gの洗剤、ですね。
そこに 水を入れます。ざっくりですが、水道の蛇口をひねって、またすぐ止めるような、そんな量です。
次に 食器用スポンジで泡立てます。
だいたい30回くらいスポンジを伸縮すると、泡だらけになります。この泡で食事一回分の食器や調理器具を洗うようにしてきました。このスタイルはここ数年の間に確立したものですが、それ以前は一回の洗い物で洗浄力が落ちるたびにプシュプシュプとボトルを押していたので、油汚れの多い時は食事1回の洗い物で3回くらい押していたかもしれません。その結果、かなりのスピードで洗剤を消費していました。使用量、無頓着時代 です。その姿勢を改めて現在は 1回の洗い物はワンプッシュで洗いきる、と決めました。それが可能だった洗剤が今のところ、キュキュっとだったというわけです。
見苦しくて申し訳ない(誰に?)景観ですが、まず最初に 食後の皿を新聞紙など捨ててもよい紙類でふきとってから洗い桶に つけます。次に先程の 泡立てた洗剤水で洗い物に泡をつけていきます。このとき、汚れがこびりついているもの以外はゴシゴシ洗いません。汚れは泡が全体的につけば自然に浮かされて落ちるものなので、ゴシゴシ磨く必要があるものだけは磨きますがそうでないものは一生懸命にこする必要がありません。
ちょっとおっくうですが、洗い物に一通りの泡がついたら、洗い桶の水を一旦すてて、桶の中に洗い物をいれます。そうして、細い細い水道水で洗い物タワーを上から順番にすすいでいきます。このときの水量は、以前に「鉛筆の細さでよい」と本で読んだことがあり、それ以後、鉛筆の細さにこだわっていたのですが、最近「箸の細さでもいいのでは」と気づき、箸の細さに変えてみたところ、洗い終わったものをさわっても洗剤らしきものが出ませんでした。(水の節約についてはまた別の機会に)
食器類を洗い終わると、「箸の細さ」の場合、親子ふたり分のすすぎ用の水は桶1杯に満たずに洗い切れます。最初の段階で汚れをふきとっているのですすぎの水も比較的きれいです。
食器洗いというのは、汚れた食器を洗う、という目的の行為ですが、毎日毎日これをただ何も考えずにくり返すとなると私には「生産性の無いめんどくさい家事労働」のひとつに思えてくるので、洗っている最中も何か毎日少しだけ改善点がないものか、と考えながら洗うことにしています。洗った食器をどう重ねたら自然乾燥で水滴がこれまでより減るか、どのスポンジが長期間もつか、水道の使用量はどこまで減らせるか、などなど、考えることがたくさんあると気づいてからは苦痛な家事ではなくなりました。毎日の雑事をいかにゲーム性をもたせて楽しみを見出すか、に考えを切り替えたのです。食洗機があれば便利ですがないので…そこは仕方ありません。
すすいだだけの水は比較的きれいなので、残り水でざっと鍋やフライパンの汚れをふやかします。
汚れが浮き上がってきたら調理器具を洗って水道水ですすぎます。
残った洗剤で、ガスコンロ周りを洗います。古くなったタオルや服の切れ端などで拭き取っています。
だいたいきれいになりました。
最後にシンクを洗い、ざっくりときれいになりました。あまりきっちりやりすぎないようにしています。
ここまでで食器洗いは一区切りなのですが、だいたいいつも、ワンプッシュの洗剤で全部を洗いきっても、実はまだ洗剤水が余ってしまう のです。それで以前から、この洗剤の使用量は我が家の適量なのかを、ちゃんと考えたかったのでした。でもいつもやはり少し余っていたので、無駄が発生していたと言えます。
はじめに、プッシュボトルが最後まで押せなくなればよいのでは、と考えました。そこで、割りばしをカット。
案外固い箸でした。のこぎり登場。
5mmほどの割りばしを…
接着してみました。これでどうだあ!!(いろんなスキマ時間に少しずつ色々試しているので背景が異なります)
…って、4.1g。むしろ増えてます(笑)。つまり5mm程度のストッパーでは一切効果がないことが判明しました。
ストッパーを1cmにしてみました…が、長すぎて安定感が悪く、当たった瞬間に落ちました。
何かもっとしっかり固定されるものがないかと見回したところ、バッグクロージャー(パンの袋をとめているもの)を発見。
なんと!ちょうどぴったりだったのですが、これを10個くらいはめないと高さがでません。今から10個貯めようとすると三ヶ月くらいかかってしまうので却下。
ふと、輪ゴムで止めたらよいのでは、とひらめき、巻いてみました。これがポンプのストッパーとしていい仕事をしてくれることが判明。遠回りしましたが、ネット検索ではなく自力で導き出せたので少しは脳みそを使えたかもしれません(笑)。私に考えつくくらいですから、恐らく他の方もされていることでしょう。
ゴムの一番上につけてみました。これだと、ポンプが深く押されるので洗剤容量は少ししか減りません。
次に、中央に巻いてみました。
測ってみたところ、1.5g。4gと比べて半分以下に減りました!!
欲張りな私(?)はさらにゴムを下に下げてみることに。
なな、なんと!1gになりました(笑)。
そういうわけで、ワンプッシュ4gで親子2人分の食事一回分の洗い物をしていた毎日から、1gの洗剤に変えてみたのですが、これが全く問題なく洗い切れることが判明しました。キュキュットの洗浄力が逆にちょっと恐ろしくなりますね。
ちなみにこのゴムの巻き方によっては、ポンプを押す度に少しずつゴムが上に上がってくるので、しっかりきつく巻き、時々ずれてきたら定位置に戻さないといけません。
★ ★ ★
ここでちょっと経済面からも確認してみましょう。
今まで 1380 ml 入りボトル 2本 1,287円 のものを購入していました。このボトルをどのくらいの期間で使用していたかは記録をとってこなかったのですが、ざっくり、1ボトル使い切るのに2ヶ月かかっていたと仮定します。(実際の我が家はもう少し少ないと思いますが、あくまでも仮)
もし、1年間で6本使っていたら、年間 3,864円、使用量 8280 ml です。これを4分の1に減らすと…
要するに、洗剤の使用量を意識的に減らすだけで、年間 3,864円 の洗剤を 966円 に減らすことができるのです。3,864円-966=2,898円 の節約、これは結構大きいです。
※追記23年8月27日: 先日同じものが1ボトル¥580で売られているのを発見。(¥644-580=¥64安い!)
★実際がどうかなのかを知るため、今度新しいボトルを使い始めるときに、開始年月日をボトルに記録して終了日を調べてみようと思いますが、節約して使っているので次の機会はだいぶ先になります。しかしよい検証になるのでその後の結果はいつかブログに追記したいと思います。★
洗剤の節約に一段落がついたので、嬉しさのあまり知人にこの話をしたところ、「うちは洗剤のボトルに水を足して節約してるよ」と言われました。「そうきたか!!」
原液を1g使用しても洗い切れるのですから、ちょっと水でかさ増ししたものを使えばさらに節約になるではありませんか。ちなみに、水で薄めた洗剤で洗う時に数回プッシュして使用している場合は薄めていても使用する量は変わらない、ということも考えられます。そのため、私の挑戦としては、洗い方は現状のまま、原液を少し薄めてみる、ということにします。
…ということで、さっそく水で薄めて洗剤水を作ってみました。
水と洗剤は重さが異なるので、ゆっくりゆっくり時間をかけて分離していきます。使用する度にボトルを1回撹拌する必要がありますが、さほど手間でもないので続けてみようと思います。
今度は、薄めた洗剤水ワンプッシュで洗い切れるか、を検証。まず「なんちゃって原液」を容器にいれ…
水を加えて…
ちょっと原液のときよりは泡が粗いですが、一応ボウルいっぱいの泡ができました。
あまりにも汚れきった食器類が恥ずかしいのでモヤかけておきます。さて、洗ってみましょう。
無事、洗いきれたのですが、、、やや最後は心もとない感じになりました。調理器具があとひとつ2つ、食器がもう少し増えたら足りなくなるかもしれません。
水で薄めたとき、ちょっと欲張って、原液:水を1:1ではなく、原液4:水6くらいにしていました。自分でもやや水を足しすぎたかなと思ったのですがやはり若干薄まりすぎました。ということで、今後は原液6:水4くらいでいってみようと思います。
…で、最後にやはり計算です。もし 水で4割薄めた洗剤水ワンプッシュ で食器洗いができる なら年間どのくらいの原液を使うのか。
お、おや…?もしかして、この特大ボトル1個あれば1年間以上使えるのでは。
要するに1年間で 8280 ml 使用していた洗剤は 1242 ml 、3,864円 分だった洗剤は 580円で済んでしまう?
以前、卵の節約のときに、ちょっと安い卵を買うというだけでなく、その卵の使用頻度を減らすという掛け算による節約効果の大きさ について書きました。それと同じように洗剤も、使用量を減らす × 水で薄める、という2つの節約掛け算でさらなる効果を生む ことをまたまた実感しました。ご飯をたべるとき、お茶碗についた米粒があると “ もったいない ” と言ったりしますが、食器用洗剤が微量で余ったとしても同じように “ もったいない ” と思ったことなどなかったなとも気づきました。よい機会でした。
最後に、キュキュットの成分について。
私が社会人になってすぐの頃は、比較的お給料面で不満のないスタートを切れたおかげで、20代当時は環境意識が高く、食器用洗剤はいつも界面活性剤のパーセンテージの低い洗剤を積極的に選んだり、生活圏内にナチュラル系のショップが多かったため、自然派洗剤を選んでいました。環境配慮型の洗剤を選ぶ人は少数派なので割高なものが多い ですが価格は全く気にしていませんでした。ところがこの20年の間に仕事環境が代わり、経済的ストレスを抱えた暮らしに入ると洗剤を 環境意識 ではなく、コストパフォーマンスの観点からしか選べなくなってしまいました。経済的余裕が少ない ということは、選択の自由 が減ります。これは洗剤から洋服、車や住む場所、学校まですべてに共通することですね。
キュキュットに使用されている界面活性剤は32%、アルキルヒドロキシスホベタイン、両性界面活性剤、高級アルコール系のものになります。高級アルコール系は洗剤の中では水生生物への影響が少し大きめと言われていますが、もちろん様々な法律や環境濃度などの検査をされて問題ないと言われる数値になっているから販売されていると思います。では植物由来の界面活性剤のほうが選択として良いのかと言われたら、パーム油やヤシ油の採取が熱帯林の破壊につながっていて地球環境によくなくなってきているという違う話も耳に入ってきます。こういったことの本当のリアルな実情は、その分野に従事している人やその近親者からの一次情報が聞けたら信頼性がありますが、一般人にはなかなかたどり着けないと思うことが多いです。洗剤の進化とともに恐らく浄化槽も年月とともに進化していると思うので、この20年の間に環境と洗剤についての状況も大きく変わってきていると思いつつ、自分が自由に選ぶことができなくなった時点で情報のアップデートをやめてしまっていました。
今回久々に洗剤について色々と考えてみて、今後どの洗剤を使っていくかは、選択の自由が狭くなってしまった現在でも時々考えたり調べたりしたいな……と思うところまではするのですが、実際のところは毎日が忙しくてそこまでの追求はなかなかできません。そこで近頃思うのは、ほんの少しだけ手を伸ばして届く情報までは手を伸ばてみる、とりあえず自分が新しく試す製品についてはほんの少しだけ調べてみる、といった「ちょっとした背伸び」をするところまではやろう、と。
とりあえず、今使っている洗剤がなくなったら、前から関心のあった固形石鹸にもいつか挑戦し、使用量だけでなく使用期間の面からも次は考えてみたいなと思います。
それから、これは違う話になりますが、油汚れ以外の洗い物なら洗剤は不要ですし、お湯で洗うことで油を取ることもできるため、洗剤の使用自体を減らす方法は洗剤の量を減らす以外にもさまざまな方法があると思います。ひとまず今回は洗剤自体の使用量について、ちょっとしたしくみや習慣で減らそうと考え、自分なりに試し、我が家のこれからの適正量を決めることができてよかったな と思います。