食品の値上がりがすごいですね。油もずいぶん高くなったので、使い方の意識を変えていこうと思うようになりました。
今日は、最近私が実践している、揚げ物をしたあとの、油カスを取り除く方法 をご紹介します。
揚げ物の油は、以前は5~6回の使用で捨てていました。
ところが、雑誌「暮しの手帖」の古いバックナンバーを以前読んでいたときに、つぎ足ししながら使用すると長く使うことができる、という実験結果を見て、それ以後は新しい油をつぎ足しながら使うようになりました。
それでも、油の色が黒くなってくると、そろそろ変えたほうがいいんじゃないかと不安になって、処分していました。体に悪い油を食べていると思ったからです。
(※その雑誌の号数はもう忘れてしまいました)
揚げ油はどうしても使用後にカスが残るので、その都度、油こし器でこしていました。こうすると細かいカスは取れますが、今度は油こし器を洗剤や水を使って洗う必要がでてきます。これはこれで、手間がかかります。
なにかいい油カスをとる方法がないかと思っていたところ、片栗粉+水 できれいになる方法に出会いました。簡単にご紹介します。
まず、片栗粉小さじ1~2をお椀などに入れます。
適当な量の水で溶きます。
※水の量は適当でOK。
冷たい油に入れます。
※温かい油にいれてしまうと、片栗粉がすぐ固まってしまうため、冷たい油に。
細かい粒子になるように、よく混ぜます。
火をつけます(中火)。
2分くらい経つと、沈んだ片栗粉がゆっくり浮き上がり始めます。
3~4分くらいで全体的に浮き上ってきます。
5分くらい経つと、水分が蒸発していきます。
そうしてゆっくりと、片栗粉がカラッと揚がりはじめます。
これを大きなひとつの塊にするために、ゆっくりとまとめていきます。
小さなかけらを一つにまとめます。
※ねばりがあるので、箸にひっつきやすいです。
完全にまとまったら、持ち上げて捨てます。
油はすっかりきれいになりました。かなりきれいになります。
この方法を知ってから、油こし器を使わなくなったので、処分しました。
さて、エネルギーの視点から見ると、油掃除をするために、ガス代が5分と片栗粉と水 が必要です。もし、油こし器を使う場合は、油こし器の汚れをとるために洗剤と水と水道代 がかかります。
ガス代5分のほうがなんとなく割高なようにも思えますが、油をこす方法の場合は、大前提としてまず油こし器を買うコストが必要です。加えて、洗う・保管する場所が必要になるので、私は「油こし器を持たない」と決めました。
その代わりとして、今後は、ガスの効率的な使い方の精度をあげていこう、と。
油こし器の上に、ペーパーフィルターを敷けば、紙1枚で簡単にカスを取り除けるので、2~3円ほどで済むよと言われそうですが、五十歩百歩と感じます。物事はすべて、トレードオフになっていると思います。何かをする代わりに、何かを失う。何かを手放す代わりに、何かを得る。
「昭和のくらし方」小泉和子 河出書房新社(絶版)
の本に、「揚げ油を捨てないで使う」というページがありました。70年近く揚げ物をしてきた著者によると、揚げ油を捨てたことは一度もない のだと。NHKの「ためしてガッテン」でも、過去に実証実験した結果、「捨てないで使える」という結論がでている、と。
くりかえし使用すると色が悪くなるので、それを油が酸化しているという人もいて、私も長い間そう信じてきたのですが、油の中に食品の色が溶けでているだけで、油そのものは真っ黒になったものでも十分使えるとのこと。
また、現在は製油会社の精油技術の進歩によってほとんど酸化しないと言われているそうです。
そんなわけで、今後は油は捨てずに最後まで使い切るスタイルでいくことにしました。また、そのためにも普段から、良質な油を丁寧に大事に使う、という姿勢に切り替えていきたい と思います。
●揚げ油のカス取りは、片栗粉+水で。
●ガスの効率的な使用の知恵を高めていく
●油は最後まで使い切る。
●良質な油を選んで買う。
食用油も大切な資源、ですね。